「なんで特進科だけ、後半は別の授業に変わるんだよ―」
リュージくんの言うとおり、それもあと数回で終わりかと思うと、仕方がないことだとわかっていても、寂しい。
進学クラスである特進科だけは、後半から特進科独自の授業に切り替わり、生徒たちは合同授業から抜けるのだ。
昨年も途中から朝陽とリュージくんがいなくなって、後半の課外活動中、とても寂しかった。
「なのちゃんだって、俺たちと一緒にいたいよな!?」
「それは……うん、そうだけど、でも……」
特進科の特別授業も大事だろうから、仕方がないことだとも思ってる。
「なのちゃんだけじゃなく、朝陽と仲良く校内清掃するのも楽しいのに!」
「無理。俺は全然楽しくないし」
「またまたぁ。朝陽くんってば、ほんと、ツンデレなんだから!」
「……ウザい」
「アハハ」
思わず声を零して笑ってしまった。
特進科の二人と会えるのは、基本的に朝の登校時間と放課後の下校時間だけ。
今のように昼間の授業中にも会えたらとても嬉しいけれど、そんなことは無理なのだとわかっている。