シャープな輪郭の線と、綺麗な首筋の真ん中にある男の子特有の喉仏。
真っ白なシャツ、広い肩、長い腕。
朝陽のことを、恋愛感情として"好き"だと意識し始めたのは、いつの頃だろう。
もしかしたら、初めて会った瞬間からかもしれないし、明確なキッカケなんて、なかったのかもしれない。
だけど、少なくとも中学三年生の頃にはハッキリと、朝陽が好きだと自覚していた。
昔から成績優秀な朝陽は、高校は進学校を希望するだろうと周囲は期待を寄せていた。
かくいう私も、朝陽はレベルの高い学校を目指すのだろうと思っていたし、それが当たり前だとも思っていた。
けれどあの時は、頭ではわかっていても、私は朝陽と離れるのが寂しくて……。
ただの幼馴染が、ずっと一緒にいられるはずがない。
わかっていても、私は朝陽の手を離すのが怖かったんだ。