陸斗くんのことを考えていたら落ち着かなくて、つい、ソワソワしてしまった。

そのせいで授業中に先生から注意もされたし、本当に散々だった。


「……悪い。だけどやっぱり、慌ててる菜乃花を想像したら面白くて、つい」


カーテンを開け、隠れた私を再び自身の前に出した朝陽が眩しそうに目を細める。

私は逆に、木漏れ日を浴びた朝陽が綺麗で眩しくて、つい、目を逸してしまった。


「……本当に、笑い事じゃないんだよ?」

「うん。だけど見方によっては、その陸斗って奴が、菜乃花を助けてくれた……ってことにもならないか?」

「陸斗くんが、私を?」


思いもよらない言葉に顔を上げると、朝陽が小さく笑みを零す。

陸斗くんが私を助けてくれた……って、一体どういうことだろう。

朝陽の言いたいことがわからずに、ただ彼を見上げていれば、綺麗な瞳の中に小さな私が映り込んだ。