『おーい、りっくん?』
「──ずっと、笑ってろ」
『えー?』
「神様の隣で、ずっと幸せに笑ってろ」
見上げた空は、今日も青く澄み渡っている。
乱雑に並んだ机。
ひっそりと存在を主張するグランドピアノ。
優しく揺れる──アイボリーのカーテン。
【──陸斗くん、お元気ですか? 私は今、とても幸せです】
空には真っ直ぐな飛行機雲が、描かれていた。
思わず笑みを零せば、彼女が隣で笑ったような気がした。
『神様の隣で、君が笑った』
―fin―
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