「そんなわけで、代わりにアイツに伝えておいてくれよ」 『何? おめでとうとか?』 ハガキと一緒に添えられていた、一枚の便箋。 それを開けば、いつぶりかもわからない──バカなアイツの字が並んでいた。 『陸斗くん、なんだか先生みたいだね』 胸の奥が小さく軋むのは今、数年前、ここで俺を見上げるアイツを思い出してしまったからだ。 ──先生みたいだ、なんて。 あのときのアイツが今の俺を見たら、なんと言うのだろう。