「さっきもアイツに言ったとおり……菜乃花が望むすべてを叶えられる、菜乃花にとっての神様みたいな奴に、俺はなりたい」


だけど朝陽は昔からずっと、変わらない。

私のそばにいて、私の手を握ってくれる。

私という人間を認め、同じ景色を見てくれる。

その優しい心に、私が今日までどれだけ救われてきたか、きっとあなたは知らないでしょう?

常に自分よりも私を優先する朝陽のことを──。

私はずっと、幸せにしたいと願っていた。


「……私もバカだけど、朝陽もバカだね」

「菜乃花……」

「私の幸せはね、いつも朝陽の隣にあるよ。朝陽がいてくれるだけで、私はもう幸せなの。神様なんかじゃなくても、私は朝陽のことが大好きだから」


ぎゅ、と。僅かな隙間も惜しいとばかりに抱き締められた身体は、昔と変わらず温かかった。