──神様にハズレくじ引かされた。
数秒の間を空けてから、弾かれたように振り返る。
すると頬杖をついた陸斗くんの鋭い目が、こちらへと──ううん、正確には私のそばに立つ彼女へと向けられていて、私は再び、目を丸くして固まった。
「か、神様って、陸斗くん、急にどうしたの? 私は別にズルとかじゃなくて、ただ月嶋さんにお願いを……」
「俺、アンタみたいな、うるさそうな女が隣に来るの、無理だから」
「え……」
「もしアンタが俺の隣になるなら、俺に絶対に話しかけないって約束な?」
そこまで言うと、陸斗くんは蔑むような視線を彼女へ投げた。
途端に、私のそばに立っていた彼女の顔に赤が差す。
「っていうか、ズルはやめましょうとか小学生で習うことだろ?」
今度こそ、陸斗くんは彼女を鼻で笑って一蹴した。
そうして不意に、私へと目を向け視線を止める。