「……バカみたいだろうが」

「……っ、う」

「それでもアンタのことを好きで、そばにいたいって思ってる奴が──バカみたいだろ」


それは誰のことを言っているのか……溢れだした涙のせいで尋ねることはできなかった。


「月嶋 菜乃花って人間は、この世にたった一人しかいない」

「……ふ、うっ」

「アンタがアンタを認めてやらなくて、どうするんだよ!!」


その言葉に、とうとう涙が頬を伝って零れ落ちた。

子供みたいな嗚咽が口元から漏れて、今すぐこの場から消えてしまいたくなる。

ああ、本当に、私はバカだ。

ここまで言われなきゃ気づけないなんて、本当に嫌になる。

結局、私が一番、私のことを認めてなかった。

認められないから、朝陽に相応しくないと思っていた。