「……っ!」


再び、予告なく視線と視線が交差する。

朝陽のビー玉のように綺麗で真っ直ぐな目に射抜かれた瞬間、思わず呼吸の仕方を忘れてしまった。

それは一瞬にも感じたし、永遠にも長く感じる時間だった。

……朝陽?

ようやく朝陽が睫毛を伏せたことで解放されると、指先は真夏だというのに冷たくなって、震えていた。


「──だからこそ僕たちは、彼らに理解を示し、寄り添うことが大事だと……当初の予定では、手元の原稿通りのことを言葉にしようと思っていました、が……」

「え……?」


唐突な朝陽の言葉に、会場が、ざわめき立つ。

私はバクバクと高鳴り続ける心臓に耳を澄ませながらも、朝陽の口から紡がれる言葉の続きを待っていた。


「ここからは、僕の個人的な想いを、述べさせてください」


今度こそ、朝陽のグループメンバーたちも顔色を青くして、「何を言っているんだ」と言わんばかりの表情で、朝陽のことを伺った。


「……僕は幼い頃からずっと、今言ったみなさんと同じ苦しみを抱えた子と、数え切れないほどのたくさんの時間を共に、過ごしてきました」


それが、誰のことを示しているのか。

そんなこと、言われなくともわかってしまう。