「ふぅ……」
壇上から見ると右端の奥。扉のすぐ横に息を潜めて立つ私は、一人静かに息を吐く。
リュージくんたちのプレゼンが終われば、残りはあと一組だ。
これまでのグループの中に朝陽の姿はなかったから、必然的に最後のグループが朝陽がリーダーを務めるチームということになる。
……もうすぐ、朝陽の出番。
意識した途端に、心臓が早鐘を打つように高鳴りだした。
未発表のグループのメンバーたちは別室に控えているらしく、会場内では朝陽の姿は見つけられない。
「それでは次が、最後のグループとなります」
進行役の先生の言葉を合図に、講堂にあるもう一つの扉が静かに開いた。
「──よろしくお願いします」
凛と通る声。聞き慣れたその声が耳に触れただけで、涙が私の視界を覆った。
──朝陽だ。
リーダーを務める朝陽は先頭で講堂に入ってくると、そのまま真っ直ぐに用意された席へと向かった。
彼らのプレゼンを聞こうと訪れた人たちと、朝陽のグループメンバーたちが向かい合わせの形になる。
そうして彼らが深々とお辞儀をしてから椅子に腰を下ろそうとしたとき──。