* * *


「ハァ……」


心の落ち着かなかった午前中をようやく終えた私は、教室で一人寂しくパンを齧った。

午前授業を喜ぶクラスメイトたちは足早に、各々の目的に向かって駆けていく。

そろそろ、行かなきゃ。

今日はこれから、リュージくんと朝陽のプレゼンテーションを見に行くのだ。

この約束だけは絶対に忘れてはならないと思った私は、リュージくんから誘いを受けてすぐに携帯電話のスケジュール帳、自分が持っている手帳、更には授業に使うノートにまで、今日のプレゼンテーションのことを書き込んでいた。

それだけじゃない。お財布と定期入れにもそれぞれメモを挟んで、どうにかして今日の約束が目に入るよう考えた。

そうでもしないと不安で……。これだけしたって約束を忘れてしまうことがあるのだから、どうしようもない。