「……特進科のプレゼンを見に行く?」


金曜日の朝。下駄箱に着くと、この一週間、欠かさずに私を待ってくれている陸斗くんと顔を合わせた。

今日こそは彼よりも早く学校に来ようと思っていたのに……。

そんな浅はかな考えは、全てお見通しだったらしい。

私よりも先に学校に着き、いつも通り下駄箱の正面の壁へと背を預けていた陸斗くんは、いつもより早めにやってきた私を見るなり面白そうに目を細めた。


「アイツに、見に来いとでも言われたのか?」


一週間ともなるといよいよ抵抗する気力も失せた私は、結局彼と並んで教室までの道のりを歩いた。

手を繋ぐことだけは精一杯遠慮して許してもらえたものの、やっぱりこんなの、どうかしている。