「邪魔になんて、なるわけないよ。だって、朝陽が間にいなくたって、俺となのちゃんは友達だろ?」

「え……」

「だから、堂々と俺のこと、応援してくれよ。そしたら俺、プレゼンで噛まずに、やり切れる気がするからさ!」


再び強く胸を叩いた彼を前に、胸が震えた。

自分が今、最後のお願いだなんて言ったくせに……とは、涙のせいで口にすることもできなかった。


「うん、わかった。ありがとう」


今度こそ私は、泣きながら笑ってしまった。

校舎が静まり返る夏休みまで、あと二週間。

きっと、今年の一学期は、とても濃い時間となるだろう。

夏を待ちきれなかった向日葵が、窓の外に咲き誇る。

私はその向日葵と同じように眩しい太陽を見上げて、高鳴る鼓動に耳を澄ませた。