「一年生の時と同じで、成績はあんまりなんだけど……でも、勉強はすごく楽しいよ!」

「そっか、それなら良かったなぁ。まぁ、成績なんか気にすんな! どうせ、そんなもんで人の価値なんか決まんねぇから!」


太陽みたいな笑顔を浮かべたリュージくんは、今度はグシャグシャと私の髪を撫で回す。

するとその手を朝陽の手が掴んで、ペイッ!と引き剥がすように宙に放った。


「なんだよー。いいだろ別に、撫で回すくらいー」

「ふざけんな、いいわけないだろ」

「なんでだよ、なのちゃんは全然嫌がってないからいいじゃんか!」

「菜乃花が嫌がってないところも含めて、ムカつくんだよ!」


言いながら、朝陽は眉根を寄せてリュージくんのことを睨み見る。

私は二人のやり取りが面白くて、思わずクスクスと笑ってしまった。

やっぱり、二人はすごく仲が良い。

私は、こんな風に気を使わずになんでも言い合える二人の関係が羨ましいと、いつだって思うんだ。