朝陽と並ぶと画になって、素敵だなと心から思える二人だ。

……もしかしたら朝陽は、ああいう大人っぽい女の子が好みなのかもしれない、なんて。

ずっと一緒にいて気付かなかった私が、今更何をやっても手遅れかもしれないけれど。

それでも少しでいいから、朝陽の理想に近付きたいと思ってしまう。

今更遅いと言われても……朝陽の手を離す最後の最後まで、私は朝陽のことを想っていたい。

きっと、想うだけならイジワルな神様も許してくれるはずだから。


「イイ……っ!」

「え……」


けれど、不意に声を弾ませた日比野さんに、沈みかけた意識が引き上げられた。

何故か視線の先の日比野さんは大きな目を一層見開き、キラキラと瞳を輝かせている。


「アレでしょ、月嶋さん、好きな人がいるんでしょ!?」


図星を突かれて、返す言葉を失った。

私って、そんなにわかりやすいのだろうか。

前にも陸斗くんに、朝陽が好きなことを言い当てられて……。

その時も、まさか全てを見透かされているんじゃないかと不安になったけれど、デジャヴだ。


「う、うん……」


日比野さんに嘘をつくのは嫌だから、正直に頷いた。

すると満面の笑みを浮かべた彼女に、突然、ギュッと身体を抱きしめられる。