「でも、私、頑張るから……っ。なるべく迷惑にならないように、私なりに、頑張るからっ」


みんなは、私が何を言っているのか、わからないかもしれない。

伝わるかどうかも、わからない。

みんなが私の話を聞いて、何を思うかなんて、わからないけれど……。


「別に、そんなふうに頑張るって気を張らなくてもいいんじゃない?」

「え……」

「困ってたら、助けるよ。だって、クラスメイトじゃん。普通のことだよ」


迷いなく告げられたその言葉に、胸の奥がジンと震えた。

──普通のこと。

その普通が、今の私には、途方もなく愛おしい。


「いい加減、席に戻れば?」


ぶっきらぼうに投げられた、その声の主が誰なのかは目を向けなくてもすぐにわかった。

おもむろに立ち上がった彼は倒れた机を元に直すと、再び自身の席へ、腰を下ろす。


「自習なら、寝てるから。授業終わったら起こせよ」


あけすけな物言いに、思わずクラスのみんなが噴き出した。