「ハァ〜〜ァ……」


ひんやりとした机の冷たさが、私に頭を冷やせと言っているようだ。


「なんだよ」

「ううん……ちょっと、考えても考えても答えが出なくて……。考えることに疲れたから、ここに来たんだって、今、思い出したとこ」


今度は頬を、机にのせた。

そうすれば私を見る陸斗くんと目があって、なんだか呆れたような表情をされてしまう。


「……どうせ、アイツのことだろ?」

「へ?」

「アイツだよ。この間、俺に色々言ってきた……アイツ」


陸斗くんの言う"アイツ"とは、間違いなく朝陽のことだろう。

残念ながら、図星だ。

まんまと言い当てられた私は目を丸くして、顔を上げてから固まるしかない。


「なんで、わかったの?」

「アンタの顔に書いてあるから」


私って、そんなにわかりやすいだろうか。

だとしたら、困ってしまう。朝陽にも、私が悩んでいることがバレていたら……。