良く見ればそこには、ウミガメの産卵に関する記事が表示されている。

それを見て再び小さく笑った彼を前に、私とリュージくんは今度こそ互いに目を見合わせて、盛大に噴き出した。


「ふ……っ、あ、はは……っ」

「は……? なんだよ」

「だ、だって、りっくんがウミガメとか言うから……っ。なんか可愛いし、キャラじゃねーっ」

「でも、すごいね! この辺りの浜辺でウミガメが卵を産んだなんて、全然知らなかったもん」


お腹を抱えて笑うリュージくんと、感心して声をこぼした私。

そんな私達を前に、陸斗くんは不満気に眉根を寄せて目を逸らしていたけれど、ほんの少し耳の先が赤くなっていた。

……また、新しい発見だ。

リュージくんの言うとおり、陸斗くんの可愛いところを見つけてしまった。

ウミガメに卵を産んでほしいから浜辺清掃に参加する。

それはもしかして、何も考えず、ただ授業だから……という理由で仕方なく清掃活動をしている私たちより、立派なことかもしれない。


「もういい。俺、行くから」


両手をポケットへと入れて、陸斗くんが歩き出した。

慌てて視線だけで彼の背中を追い掛けたのだけれど──。