「そういえば今更だけど、朝陽となのちゃんは、いつからの付き合いなの?」
これ以上、気まずい空気にはなりたくなくて、私は慌てて口を開いた。
「わ、私達は家が隣同士だから……0歳の頃から、かな?」
「マジで! すげーなぁ、0歳とか……。そりゃあ誰も、二人の間には入れないよな」
うんうんと頷きながら、感心しているリュージくんを前に私は曖昧な笑みを浮かべるしかない。
0歳から……。確かに、改めて言葉にすると、とてつもなく長い付き合いだ。
朝陽とは産まれた頃から、ずっと一緒にいるらしい。
誕生日は一ヶ月ほど朝陽のほうが早いから、朝陽のほうが少しだけ、お兄ちゃんだけど。
お母さんは朝陽のお母さんと仲良しなので、赤ちゃんの頃からよく一緒に遊ばせたのだと言っていた。
「朝陽は、なのちゃんのものって感じだし。なのちゃんも朝陽のものって感じだから本当に二人はお似合いで──」
と、言いかけたリュージくんの言葉を朝陽が切った。
「……別に、菜乃花は俺のものではないだろ」
「へ?」
「菜乃花は菜乃花自身のものだ。それに俺は、間に誰も入れたくないとか思ってないよ」
「へ……ええ?」
突然のことに、リュージくんは驚いたように目を見開いている。
各言う私も驚いて、ただただ続く言葉を待った。