「親友だな。俺と朝陽みたいな。あ……そういえば、弟の友達、朝陽とちょっと雰囲気似てるかも」

「そもそも俺は、お前と友達ですらないけどな」

「またまた、朝陽はすぐ照れるんだらぁー!」


バンバンと力強く背中を叩くリュージくんを、朝陽は心底鬱陶しいという顔で睨んでいた。

……リュージくんがいてくれて、本当に良かった。

いつも楽しみでたまらなかった、課外活動。

だけど今日は、なんとなく……朝のやり取りがあってから、朝陽と会うのが気まずかった。

だから今は、リュージくんの明るさに救われている。

いつも元気なリュージくんのお陰で、気まずい空気もほんの少し晴れたような気さえする。


「でもさぁ、なのちゃんと一緒に今年の課外活動やれるのが今日で最後とか、俺はマジで寂しいよ」


モップの柄の上に顎を乗せたまま、リュージくんが残念そうに息を吐いた。


「これからは特進科だけ課外活動の授業が全部グループワークの時間に変わるとかさー。ホント、なのちゃんと会えなくなるの寂しすぎる……って、ああ。朝陽となのちゃんは毎朝会ってるし? まぁ二人には、関係ないかぁ」


最後はからかい口調になったリュージくんを前に、心臓が大袈裟に高鳴った。

朝陽がどう反応するのか窺ってみたけれど、スルーすることに決めたようで黙り込んでいる。