頭では理解していても、受け入れようと思うとやっぱり難しい、なんてこともある。
それは、私も同じだった。
私自身も、自分の障がいを受け入れるまで……本当に、たくさんの時間と涙が必要だった。
だから、お互い様。
私はなるべく人に迷惑を掛けないように……私なりに精一杯、やるしかない。
「……アンタ、やっぱりムカつくな」
「え?」
「大丈夫? アンタはヘラヘラ、バカみたいに笑って自分に言い聞かせてるだけだろうが」
「……っ」
「笑ってないで、悔しいときは悔しいって言えよ。だってアンタ、少しもサボってなかっただろ」
顔を上げた陸斗くんの目は真っ直ぐだった。
思わず息を飲んでから続く言葉を探したけれど……自分がどう答えたらいいのか、正解が見つからない。
「ニ時間以上も、ここで必死にノートにかじりついてた。それって、アンタからしたら、すごいことなんだろ?」
『……私ね。勉強に集中したいと思っても、良くて三十分が限界なんだ』
『気が付くと、何か別のことをやったり、全然関係ないものを探したりしちゃうの』
陸斗くんは、そんな私の話を覚えていてくれたのだ。