「ほんと、嫌になるよね」



そう言うと、私は足を前に投げ出してソファーに保たれた。

青く、澄み渡る空。押し付けがましく毎日毎日。まるで晴れていることが偉いみたいに、毎日毎日。



「でもさ、思ったの。逆を言えば、人って、どれだけ絶望に立たされても、どれだけ裏切られても、" 期待 " ができる生き物なんだなぁって」

「え……」

「もう、はじめから、そういう風にできちゃってるんだよ。残念ながら、生まれた時から、そういう風にインプットされてるの」



雨がなきゃ、植物は育たない。雨が降らなきゃ、私たちは喉が渇く。雨の日がないと、私たちは軒下に逃げて足を止め、ゆっくりと息をつくこともできないというのに。

前向きに生き続けるなんて、そんなの何もなくても、きっと無理。

少し投げやりになるくらいが、ちょうどいい。



「だからさ、いいじゃん、期待したって」

「……は?」

「また裏切られるかもしれないけど、" 期待 " のない毎日よりは、ずっといい」



そこまで言って笑えば、タクちゃんは目を見開いたまま固まった。

不本意だけど、結局、もがいて、足掻いて、走るしかないんだ。

頭の中を空っぽにして、『未来を変えたい』って叫んで、自分に言い聞かせる。しつこいくらいに、何度も何度も声にする。