蓮司の言葉が空耳のように思えて、一瞬、頭の中が真っ白になった。



“もう、ソウマ イツキとは関わるな?”



……何、言ってるの?


蓮司は今、私に何を言ったの。



「……そいつ、めちゃくちゃ女癖悪いって有名なんだと」


「……、」


「マジで、かなりチャライらしくて色んな学校に女がいるって。……ほら、ウチの学校にも3年にカオリ先輩って美人系の先輩いるだろ?その人も、ソウマ イツキのセフレらしいよ」



カオリ先輩?……セフレ?


頭が揺らされたみたいに目眩がして、無意識に両手は握り拳を作っていた。


いつもだったら、そんな私の変化に目敏く蓮司は気付いてくれるのに。


今の蓮司は、まるで気付く様子もなく“真実を語るヒーロー”ように言葉を続けていく。