「す、き……っ、」
「っ、」
「せん、ぱい、のこと……だい、すき……っ」
言いながら、今度こそ、ワ……ッと子供のような泣き声が口から溢れて、何年ぶりかもわからないほど私は声を上げて泣いた。
好き、大好き。
やっと声に出せた言葉と先輩の温もりに、嗚咽を漏らすことすら厭わずに、ただただ先輩に縋った。
─── それから、どれだけ先輩の腕の中で泣いていたかはわからない。
いつの間にか人の減った駅のホームで、私は先輩に誘われるままゆっくりと、先輩の胸元から顔を上げた。
「……目、真っ赤。でも……、可愛い」
そう言って、困ったように笑った先輩は、私の目尻に残った最後の涙の雫を親指で拭ってくれた。