「っ、」
もしも、前者ならまだ引き返せるかもしれない。
だけど、後者であれば今このメッセージを読まなければ、もう二度と、栞の心に触れることはできないということだろうか。
─── 結局、全てを切り捨てることなんかできない俺は、その言葉の真意を確かめたくて、ダメだと思いながらも未読マークの付いたメッセージをタップした。
すると、そこには久しぶりに受け取る、“栞の声”。
たったそれだけで胸を締め付けていた想いに解放された俺は、
「……図書、館?」
その内容を読んで、それを読む前よりも困惑する羽目になるのだけれど。