「あ……栞ちゃん、待って!!」


「っ、」



アキさんの静止の声も聞かず、衝動のままに私は校舎に向けて走り出した。



(全部……っ、全部、全部、私のせいだ……っ。私のせいで、樹生先輩の未来が─── )



とにかくなんとかしなくちゃと、それだけで頭の中はいっぱいで。


先輩の受験だけでも……推薦だけでも取り消すのは止めてくださいと、頭を下げなければと思った。


その為には、樹生先輩の処分を決めた先生に会いに行かなきゃいけなくて。


何もかもが無計画だったけど、今の私にはもうそれ以外の方法が見つからなくて───



「ストーップ!!」


「っ、」



けれど、校舎まであと一歩というところで、私の足は再び止められてしまった。