感情に任せてアキさんに詰め寄った私に、今度こそアキさんが困惑と居た堪れないと言った様子で視線を揺らした。
アキさんはきっと、今私が何を言ったのかわかったのだろう。
それは、樹生先輩の受験のことを“私に聞かれるだろう”と、アキさんが予想していたからに違いなくて。
そして、私のその問いに答えることで、私がその事実にどれだけショックを受けるかも。
けれど、そんなアキさんの優しさと様子の変化に、聞かなくても答えがわかってしまう。
樹生先輩が学校から貰えるはずだった推薦は─── 今回の一件で、取り消しになってしまったんだと。
「……栞ちゃんの、せいじゃない。少なくとも樹生は、そんなこと思ってないよ」
「っ、」
そんな……こんな、ことって。
だって先輩は今日まで、その受験のために毎日必死に頑張ってきたのに……!
毎日毎日、朝早く学校へ行って勉強して、夜も遅くまで、ずっと頑張ってきたのに、こんなことって……