「タマ!!何やってんだよ!!樹生のとこ行くんじゃないのかよ!!」



タマ……?

その言葉に驚いて、慌てて振り向けばそこにはお祭りで会った─── 樹生先輩の親友である、アキさんがいて。



「だってさぁ、アッキー。今、この後輩くんが弱い者いじめしてて、正義感溢れ過ぎな俺的には、そういうの見過ごせない的な的な?」


「はぁ!?こんな時に何言ってんだよ!ほら早く樹生のとこに行かないと、あいつ絶対今頃─── あ!」


「っ、」


「え?え?何なに?あ……あーーー!!わかった!!これって、助けたカワイ子ちゃんが、俺に惚れちゃうパターンじゃん!?寧ろ、もう惚れてるパターンじゃん!?」


「えーと……栞、ちゃん?」


「そうそう、“助けてくれてありがとうございます、タマさん。本当に怖かったんです!!”って、カワイ子ちゃんが俺に抱き着いてくるパターンに間違いなくて……って、シオリィ??」