「っ、」
「はぁ?」
声に誘われて顔を上げれば、そこには可愛らしい容姿をした男の人が立っていた。
制服のシャツの上に赤いパーカーを着ているその人は腕を組み、クリクリとした目を真っ直ぐに彼に向けながら、ヤレヤレと一度だけ首を振ってから言葉を続ける。
「その子、明らかに嫌がってるじゃないか。離してやりなさい。っていうか、こんな校門の前で堂々と悪事を働くなんて、キミも中々のファイターだな」
「なんだよ、うぜぇなぁ!カノジョだよ、カノジョ!!あんたに関係ねぇだろ!!」
「いやいや、カノジョだとしてもダメだろ、その扱い方。一度、我が親友の元でカノジョに対する接し方を学んだ方がいいよ、デレデレ過ぎて引くかもしんねぇけど」
「はぁ!?うぜぇんだよ!!早く消えろバカ!!」
「まぁ、俺くらいになるとイリュージョンの如く消えることも出来るのだが………1年生っしょ、キミ。いやいやー、ダメだよ全然ダメ、超ダメ」
「は、はぁ!?さっきから俺の言ってることわかんねぇのか、バカ!!」
「……バカ、バカって、そっちこそさっきからバカの一つ覚えみたいに……そんな礼儀のなってないキミにはコレだ―――!!!!
“先輩に対する口の聞き方が成ってないクロスチョッーーープ!!”」
「ぐ……ぇっ!」
「っ!」