足を止め、振り返ることもせずにその場に立ち止まれば、幼馴染みくんが困惑で身体を小さく震わせたのが視界の端に映る。
「せ、先輩?何、言って……」
「もう、どうなったって知るか!Twitterで、あの女の写真を今以上に流しまくってやるっ!もっともっと、噂を広めてやるっ!そしたら今度こそ、あの女もお終いだっ!今以上に、苦しめてやるっ!!」
「っ、」
「お前とあの女が悪いんだっ!2人して俺のことをバカにしやがって……っ。人殺しの子供のくせにっ。父親は、どうしようもないクズのくせに……っ」
「……、」
「声が出なくてしゃべれないなんて普通じゃない女が、俺みたいな真っ当な人間に好きになってもらえただけでも有難いと思え!“欠陥品”のくせに、調子に乗るのもいい加減にし─── 」
「……っ、おいっ!!」
「っ、」