「あ、あの時?」


「その、お祭りの時に。君の友達の中に、そいつがいた?」


「ま、祭りの時……?い、いました、けど……最初に栞とあんたが一緒にいることに気が付いたのも、その先輩で……」


「─── っ、」





* * *



『……そのサッカー部の奴は、俺のファンなの?』


『うーん……そうじゃなくてさ。もしかして、あの子のこと気になってるんじゃない?』



* * *






─── 見つけた。


あの時、誰もが好奇の目を栞に向けていた一方で、一人だけ、俺へと憎悪に満ちた目を向けていた男。


敵意に濡れるその目が時折、浴衣姿の栞のことを欲に塗れた目で見つめていたことも。


そして、その男に─── つい最近、出会したことも、俺は。