【今まで、本当にごめんなさい。それと……】
「(……っ、これからも、どうぞよろしくお願いします!!)」
最後の言葉だけは文字にせず、クラスメイトのみんなを見つめながら精一杯唇を動かした。
伝わらなかったかもしれない。受け入れてもらえないかもしれない。
─── でも、もう、それでもいいの。
伝えたことに意味があると思いたい。
こうして伝えたことで、ほんの少しでも何かが変わると、私はそう信じたいんだ。
震える息を吐きだして、そっと睫毛を伏せればいくつもの足が視界に映った。
……信じてる、信じたい。
だけど本当は─── すごく、怖い。
樹生先輩の言うとおり、心ない言葉を平気で言える人は確かにいるから。
そんな人たちにはきっと、何を言っても無駄なのだろうと思うことも本音だ。
だけど、私は……私がいるこの場所には、そんな人はいないと最後まで信じていたいんだ。