【みんなに嫌な思いと不安を抱かせたままで本当に申し訳ないのだけれど、私はやっぱりこの学校に通い続けたいです。ワガママかもしれないけど、ここで出来た友達や、今日までこんな私を受け入れてくれていたみんなと一緒に卒業したいです】
……いつだって、逃げるのは難しかった。
苦しければ逃げればいいなんて人は簡単に言うけど、私の逃げ場なんてどこにもなかった。
どんなに逃げても追い掛けてくる過去から逃れるための方法を、私は今日まで必死に探したけれど、そんなの一つも見つけられなかったから。
それは、私がこの5年間で嫌というほど思い知ったこと。
ようやく世間から忘れてもらえたと思った頃にまた掘り起こされて、そのたびに打ちのめされる。
……これからもきっと、その繰り返しなんじゃないかと思う。
だからこれは、諦めだ。
逃げ場がないなら、逃げることを諦める。
諦めて、放棄して─── 私は、開き直ることに決めたんだ。