「世話するのは面倒だけど」なんて。続けて、そう零した先輩は、言葉とは裏腹に嬉しそうに見える。


そんな先輩の様子に思わず口元が綻んで、いただきますと唇を動かしてから目の前に置かれたココアに手を伸ばせば、甘い香りが私の鼻孔をくすぐった。



「……本当は、話したくないなら話さなくていいよって言いたいところだけど」


「っ、」


「出来れば俺は……栞の口から、説明してほしいと思ってる」



けれど、一口。

ココアを口に含み、マグカップを両手で包みながらテーブルの上へ置くと同時に投げ掛けられたその言葉。


誘われるようにココアから視線を上げれば、眉根を寄せて私を見つめる先輩の瞳と目が合って、思わずゴクリと喉が鳴った。