「あ、ほらほら、このツイートです。もう215リツイートとかされてる」



楽しそうな声とは裏腹に、焦りと困惑で高鳴る心臓は治まってはくれなくて、今すぐにでもここから逃げ出したくなった。


それでも目を背けるわけにはいかず、恐る恐る差し出された携帯の画面を見れば、今度こそ本当に息の仕方を忘れてしまう。



【○○高校のSの声が出なくなった原因がマジでやばい】



そんな書き出しから始まった、スカイブルーに縁取られた画面に綴られた文章を読めば、世界が色を失い絶望に染まった。


どうして。

どうして、誰が、こんな─── 今更、こんなこと。