「今日は課題のレポートを担任に見てもらう為に、ちょっと早めに来たんだ」


「そっか。っていうか、今の奴は?いいの?」


「ああ、アイツ、就職希望で受験とか関係ないからって、サッカー部引退したのに朝練だけ参加してるんだよ。さっき、たまたま駅で会ったから、ここまで一緒に来たんだ」


「……へぇ。引退してるのに朝早く来て朝練だけ参加するなんて、後輩からすると迷惑……っていうか、物好きだな」


「ハハッ、まぁ、アイツ、サッカー好きだし。部活引退してから、サッカー出来ない環境がだいぶ辛いみたいよ」


「ああ、ね」



自分で聞きながらも、ほとんど興味の削がれた話に適当な返事を返しつつ校舎に入ると、アキとは職員室の前で別れた。


その足で資料室へと向かい、まだ誰もいないその場所で静かに息を吐く。


そしてお決まりの場所へと腰を下ろすと、目の前に乱雑に置かれたいくつかの新聞の内の一つを手に取った。