そんなことを考えたら、余計に気持ちが沈んでいって、鼻の奥がツン、と痛んだ。
寂しい、けれど仕方のないこと。
そもそも先輩とこうしていられるだけで、夢みたいなんだから。
ただ、夢から醒めるだけだ。
ただ、先輩と出会う前の、元の生活に戻るだけ。
わかっているのに胸が苦しくて、先輩が卒業してしまったら、先輩との繋がりも何もかもがなくなるんだろうと思えば情けないほど泣きたくなって。
つい、スン、と鼻を鳴らして、膝の上に乗っていた手を固く握った。
と、
「……っ、」
隣に座る先輩の手が、そんな私の手を突然、掴んだ。