「栞っ!こっちにこい!!」


「……っ!!」



再び顔を上げればそこには、私を咎めるかのような、強い目を向ける蓮司。


だけど私は、そんな蓮司の命令に強く首を横に振った。



「……、」



そして、まるで許しを乞うように。


握り返してくれることのない先輩の手に必死に力を込めれば、それに苛立ちの限界を越えたらしい蓮司。


再び舌打ちをして拳を強く握ると、私と先輩のところまで詰め寄って来たかと思えば、かき氷を持っていた方の私の腕を乱暴に掴んだ。