「……何、して」


「(……れん、じ?)」



突然、名前を呼ばれた先。

振り向けばそこには、数人の男の子と女の子と一緒にこちらを見ている蓮司がいて。


あまりに不意打ちな遭遇に、思わず息をするのを忘れて視線を交わした。



「……栞の、友達?」


「……っ、」



どれくらい、呆然としていたかはわからない。


落ちてきた、先輩の柔らかな声に漸く我に返った私が先輩を見上げれば、そこには声同様柔らかな笑顔を見せる先輩がいて。


それに心の底から安堵した私は、先輩の問いに答えるように一度だけ小さく頷いた。