「……話は、それだけ。また後日改めて、三者面談の件は連絡するよ。父さんの仕事や時間の都合もあるだろうし」
言いながら、静かにソファーから立ち上がった。
一刻も早く、この密閉された空間から立ち去りたくて。
父の顔を真っ直ぐに見つめるには、まだ自分の心が幼過ぎて。
「忙しいのに、時間くれてありがとう。じゃあ、俺はこれで─── 」
「……話したいこと、全部話しに来なさい」
「え?」
「話したいこと、まだあるんだろう?」
思い掛けない言葉に、弾けるように顔を上げた。
するとそこには相変わらず、自分とよく似た顔付きでこちらを見ている父がいて。