(…………あ、あれ?)



だけど、予想した痛みはいくら待っても訪れなかった。


予想外のその出来事に、恐る恐る瞼を開ければ不恰好に留まる身体。



「……ほんと、危なっかしい」


「……!」



突然聞こえたその声に、私は弾けるように声のした方へと振り向いた。


するとそこには、私の腕をガッチリと捕まえた、制服姿の男の人。



「こんな所で転んだら、踏まれるよ?」


「……っ、」



溜め息と共に吐き出された言葉に、必然的に顔は熱を持つ。