わかってた。わかってはいたけど、こうして改めて現実を突きつけられると胸が苦しい。
こんな風に苦しくなるのも、私が先輩に不釣り合いな恋心を抱いてしまっているせいなんだ。
先輩が乗ってこなくても、もしかしたら今日こそは……と、先輩が教えてくれた車両に向かった。
図書館に行く理由にも、今では図々しくも、“もしかしたら先輩に会えるかもしれない”なんていう、下心が付随している。
授業中や学校生活の中でも、先輩のことを考えてしまう。
駅に着けば、つい先輩の姿を探してしまう自分がいた。
恋心を彩る、期待と落胆の流星。
何度願いが叶わなくても、懲りずに大好きな人のことを想ってしまう自分に苦笑いが零れた。