(やっぱり、余計なお世話……だったよね)
先輩が朝の電車の時間に現れなかった初日は、あんなこと言わなきゃ良かったって、さすがに後悔した。
何も言わずに帰った方が、先輩は救われたのかもしれないと、何度も何度も考えた。
だけど、今更後悔したって意味がないんだ。
あの日の先輩を前に、何もせずに帰るという選択肢は、私には選べなかったと思うから。
先輩を放って帰ることなんか、できなかった。
だけど……そう、思うのに。
やっぱり、樹生先輩に会えないのは寂しくて、悲しくて……苦しくて。
何より、先輩が今でもあの部屋で一人、哀しみを抱えているのかと思ったら、心配で不安で仕方がなかった。