碓氷澪夜さんのレビュー一覧
昨日、人生の幕を閉じたはずの彼女との、奇跡の時間。
それを大切に、だけど楽しく過ごす姿がとても印象的でした。
予想外の展開には、奇跡の先を望んでしまいました。
きっと彼女たちには明るい未来が訪れる。
そう、思わずにはいられませんでした。
だからこそ、神は容赦なかったな、と切なくもなり……
ただ一つ、彼が、今度こそ悔いのない彼女との時間を過ごすことができてよかったと思いました。
“お前が浮気をしたら……”
その内容は物騒で、ある意味脅しにもなりそうで。
だけど、それが彼女にとっての心の支えになっていたのかな、と思いました。
だからこそ彼を挑発し続けていたけれど、なにも知らない彼の混乱が伝わってきました。
それでも、なぜ実行しないのか。
その理由は愛に満ちていました。
ただただ彼女の幸せを願う。
切なすぎました。
だけどそれだけでは終わらない。
彼女が挑発し続けた理由。
恐ろしいけれど、これもまた愛なのかな、と。
まさに純愛でした。
彼らが来世では幸せを紡げますように。
とても切ない青春物語でした。
夢を語る彼女はひたすらに明るくて。
そんな姿は、彼だけでなく、たくさんの人の希望になっていたのではないかと思います。
“君との関係は変えたくない”
そう伝えてしまった彼は、当たり前に未来があると思っていたのだと思います。
まさに、青春らしいやり取りでした。
でも、この物語はそんな見栄を張るようなことを言っていていいのか?と思わせてくれます。
彼が、想いを彼女に伝えられてよかった。
少しでも前を向いて進むことができてよかった。
次の彼女の人生が、さらに明るくありますように。
他人だけど、完全な他人とは言い難い、SNSでの距離感がとてもリアルでした。
他者から見た、大切な人を失った人の感じ方、そして応援したくなる気持ちが伝わってきました。
SNSで“いいね”を押して応援をする。
現代の人との距離感は、こんなものになったのかと冷たく思う人はいるかもしれません。
でもこの作品を読めば、その考えは吹き飛ぶと思います。
とても暖かい物語でした。
少女の心情が、とても美しい言葉で綴られ、静かな絶望を感じました。
どこか現実味のない、余命宣告。だけど身体の限界で感じる、命のリミット。そんな中で見つけた1冊の小説は、間違いなく彼女にとっての希望。
作者との繋がり、そして作者への憧れ。
それはいつしか恋心と変わる。
恋を知らない少女が恋をする瞬間は、とても美しかったです。
“私は現実を生きている”
空想の世界を知ったからこその言葉だな、と感じました。
彼女の最期の言葉には、心が揺さぶられました。
彼女が、悔いのない人生を送ることができて、本当によかった。
いつか、先生に彼女の想いが伝わりますように。
挫折、葛藤、青春、愛。
どの要素も詰まった、感動物語でした。
夢を見たいけれど、なにか納得できる理由を見つけて諦めてしまう。
そんな様子も、とてもリアルでした。
「私を理由に諦めないでよ」
彼女の言葉は彼を励ますためのようで、プライド、そして憧れを否定されたような悲しさが詰まっているような気がして、とても心に響きました。
再び彼が立ち上がり、夢を追うと決めた様は、きっと美しかったでしょう。
そして私は、この物語を読みながら神様を恨みました。
こんな切ない展開があっていいのか。
せっかく、彼らが愛を知り、生きる希望を見出したというのに。
「嫌だ」
それしか出てこない彼の気持ちが、痛いほどわかります。
それでも避けられない運命はやって来る。
彼女がいない未来で、彼が希望を抱きながら夢の道を歩んでいて、ただただ感動しました。
最高純度のラブストーリーを、ありがとうございました。
自分の居場所を見失った少女が扉を開いたのは、真夜中に高校生だけが訪れることの出来る喫茶店。
そこは時間の概念がない、不思議な喫茶店だった。
喫茶店の温かさが彼女の心を溶かしていく過程がとても丁寧に描かれていて、素敵でした。
この物語の“嘘”を知ったとき、彼女が前向きになることを願わずにはいられませんでした。
彼らが出会ったのはたった2日。
でもきっと、これから長い時間を過ごすことができるはず。
2人が再会できることを祈っています。
この物語での“手品師”
その正体を知っても、すぐには飲み込めなかった。
一体、なにを表しているのだろう。
読み終えて、ずっと考えた。
この物語の主人公は五歳の少年。
嫌なことがあったら素直に言ってしまうような年齢だろう。
それを抱えて、どうしようもなくなったときに出会ったのが、“手品師”
彼が消してくれたのは、少年が抱える、心の暗い感情。
そして気付いた。
少年は、その暗い感情との付き合い方を知ったのではないか、と。
素直に嫌だと言わず、自分の中で処理をする。
それはもう、大人に近付いたとも言えるのではないかと思った。
子供だってなにかを抱えていて、自分で成長できる。
折り合いをつけることができる。
子供の可能性を感じられる物語だと思った。
なにを求めるにも、お金が請求されてしまう世界。
なんとも冷たい世界。
人との繋がりをまるで理解できない世界は、ただただ寂しいと感じた。
だからこそ、この物語の結末は、ただただ温かかった。
人の思いやりの価値を、改めて知ることができた気がする。
とても素敵なヒューマンドラマでした。
絵を描く“僕”と、物語を描く彼女。
夜に逢い、作品を完成させていく2人の時間は、間違いなく特別で。
もともと彼女に憧れていた“僕”が、彼女にますます惹かれていくのは、言うまでもなく。
彼が告白をしようと決めたときは、つい、“頑張れ”なんて応援してしまいました。
そして、告白といえば、の王道な展開を予想外の展開に繋げていたのは、素敵で切なすぎる。
2人が夜にしか逢っていなかった理由には、納得させられました。
最後、2人の時間は形となり、彼女の言葉で残されて。
“僕”に渡された物語は、彼女のラブレターでもあるのかな、と感じました。
非現実的な存在である“人魚”
この物語を読み終えて、人魚の「上手に泳げない」という言葉の意味を、自分の中で理解できるまで考えました。
海の生き物が泳げないということは、息が上手にできないということなのかもしれない。
夜は活動できるというのは、夜ならば自由に生きられるということなのかもしれない。
そう思うと、つい、共感してしまいました。
平和主義な彼女は、悪く言えば、自分の意見がない子。
そんな彼女が祖母の店で出会った、大人っぽい女子高生。
彼女と過ごす時間は、学校でも家でも居心地の悪さを感じていた主人公にとって、癒しの時間。
少しずつ心を開いていき、仲良くなる2人はとても微笑ましく感じました。
それでもその時間は唐突に終わってしまう。
大人っぽい彼女の嘘の真意。
青春に後悔を置いて来た人なら、誰でも理解できてしまうでしょう。
一度後悔した人は強い。
だから彼女は、主人公の心の支えになれたのかもしれません。
そんな彼女の存在は、嘘で作られたものかもしれない。
だけどきっと、主人公にとっては嘘ばかりではなかったと思います。
2人がまた、笑い合えますように。
SNSの距離感が、リアルなようで、空想のようでした。
私の身近にはいないだけで、どこかでありそうな物語だと思いました。
SNS内での憧れの人は、近くにいるかもしれない。
昔馴染みかもしれない。
そんな疑念を抱きつつ過ごしていく中で、投稿に変化が見られる。
そこから物語は予想できない方向に進んでいきます。
彼女には憧れの彼に会ってほしかった。
会って、幸せになってほしかった。
ただ、彼を生かすために選んだ未来を、全力で突き進んでほしいとも思いました。
読み終えて思ったのは、これがメリバというやつか、ということ。
世間一般的には、とてもハッピーエンドのようには思えない。
だけど、彼女たちにとっては、間違いなく幸せな終わりで。
高校生だからこその未熟さ、そして共依存の危うさ、恐ろしさを感じました。
また、この作品は、スクロールの特徴を上手に利用しているな、と思いました。
続きが気になっても、ぜひ、ゆっくりスクロールしてほしい。
きっと、見え方が変わります。
この物語を語るには、まず読んでもらわなくては。
そうしなければ、なにも話せない。
そのくらい、予想外の展開が待っていました。
初めは辛くて、フェードアウトしたくなるかもしれません。
それでも、読み進めてみてほしい。
そこには感動が待っているから。
最後のシーンを読んだときは、まさに奇跡だな、と思いました。
そして、大切にしたい、大切にしよう、と。
なにを?と思った方は、ぜひ読んでください。
答えはこの物語に詰まっています。
まさに青春・恋愛というジャンルに相応しい物語でした。
初めは青春。
主人公を含め、どの登場人物も未熟で、だからこその衝突は青春そのものでした。
そして衝突したからこそ、主人公は少し、成長する。
そこから恋愛の物語が進んでいくと、彼女の悩みと葛藤が見えてきます。
その苦しみは痛いほど伝わってきて、実際に悩んでいる人もこんな感じなんだろうかと思いました。
また、少しずつ紐解かれていく関係性に、どんどん引き込まれていきました。
彼らの未来が明るいことを祈っています。
1000文字の、切なくて一途なラブレターだな、と思いました。
ただ声が聞きたい。
その願いがひしひしと伝わってきて、読者の苦い恋の思い出を刺激してくれます。
過去に思いを馳せ、懐かしみ、そして、彼のように願わずにはいられない。
“好きな人の、声が聞きたい”と。
一度でも恋がした人には間違いなく届く、素敵な作品でした。
大人だからこその寂しさを感じました。
学生時代ほどの楽しい人間関係はなくて。
疎遠になったわけではない友人との距離感すらも寂しくて。
そんな中で、恋人にデートの約束を忘れられてしまう。
それはもう、自分を大切に行動するしかないじゃないか。
“ロンリネスデート”
私とのデート。
自分を大切にして、自分自身と向き合う。
とても大事で、素敵だと思いました。
いつか、彼女が自分よりも大切にしたいと思えるような人に出会えますように。
兄が自分の人生を犠牲にしたことで手に入った自由。
それは自由なんかではなくて。
だけど兄に本音を言うこともできなくて。
1人で抱えきれない感情は、真夜中、クラスメイトと出会うことで変化していく。
ところどころ違和感が散りばめられていて、こちらがそれに気付くと、主人公と同じく“謎”に対する“答え”を探す。
それは青春ミステリのようで、一気に物語に引き込まれました。
また、本来なら綺麗事となり、覚めてしまいそうな言葉も、彼女が言うから、心からの言葉として伝わってくる。
彼女が必死に訴えている姿が目に浮かびました。
物語の展開、彼らの関係性。そのすべてが絶妙で、最後まで楽しむことができました。
2人が前を向いて進んでいきそうな締めくくりも素敵でした。
「私、夜になると死ぬの」
その言葉は衝撃的で。
抽象的でもなんでもなく、彼女は本当に夜に存在しなくなる。
夜に憧れを抱きながら、彼女は1つの願いを少年に託す。
“花火が見たい”
いつの間にか自分の中で彼女の存在が大きくなっていたことで、彼は彼女のために懸命に写真を残す。
不器用な距離感は、まさに青春そのもの。
後ろ向きな彼女のために、簡単にバレてしまうような嘘をつくあたりも、それを表していた。
嘘は良くない。だけど、この物語の嘘は、他者を傷つけるものではなく、彼女を前向きにするもので。
そんな嘘を、許したくなる気持ちになりました。
その真意に気付きながらも口にせず、密かに前を向いて進もうとする少女の姿も素敵でした。

