碓氷澪夜さんのレビュー一覧
高校のときにした約束に縛られ続ける主人公と、気まぐれなヒロイン。 ふと限界が来たときの2人のやり取りも含め、その関係性は危うくて、理解できる人なんていないのかもしれない。 だからこそ、ドキドキしました。 いつか彼が本心を言える日を、彼女が真の愛に気付ける日を願っています。 個人的に、本編の中で主人公の考え方が大人になっているような感じがして、時の流れを感じられました。素敵な心理描写でした。
朝が来なければいいのに。 そう思ってしまうことは、誰にでもあるだろう。 だからだろうか、この物語で紡がれる言葉たちは、そっと寄り添ってくれる気がした。 少しずつ距離が縮まっていく2人を見ているときはもどかしくて。 嘘とその真意を知ったときは愛おしくて。 こんなにも素敵な青春物語が、どこかで本当にあるような気がして。 そう思ってしまうほどに、心理描写が丁寧だった。 それも相まって、“明けない夜はない”という、いつもなら鼻で笑いたくなるような綺麗事が、自然と心に染みた。 日々、ちょっとした生きづらさを感じている人へ。 寂しい夜を過ごしている人へ。 さまざまな悩みを抱えている人へ届いて欲しい。 そんな物語でした。
家族だからこそ、モヤモヤする。 家族だからこそ、時間が解決してくれる。 家族だからこそ…… この作品は、家族との繋がりを大切にしようと思わせてくれます。 言葉にしなくても伝わる、家族の絆を感じる暖かい物語でした。
少しずつ変化する人間関係と、ネットと現実の侵食具合が、とてもリアルでした。だからこそ、見えない大切なものについて、教えてくれる作品だなと思います。リアル世界が退屈で仕方ない人、ネット世界に生きがいを感じている人に読んで欲しいです。
大人になると意識する、現実的な将来。その“現実的”は、夢を諦めるための、都合のいい理由なのかもしれない。 「頑張っても、それは叶うかわからないから」 それは努力しない理由にはならない。 頑張ることもしないで、夢を諦めるの? そんなふうに訴えられた気がします。 もう一度、いや、何度でも私の夢と向き合って、私から背を向けるようなことはしたくない。 そう思わせてくれる、素敵な作品でした。