誰から? とは訊かなくてもわかる。
加治くんしかいない。
まだ自分の中で整理できていなかったけど、なんでもないと言ったところで嘘なのはバレバレなので、打ち明けた。
「私、様子変だったかなあ…」
「そんなことないよ。あたしも加治くんに聞かなきゃ気がつかなかった。あんたって結構、そういうとこあるよね」
「どういうとこ?」
「見かけのわりに、まったく構ってちゃんじゃないとこ」
構ってちゃんて初めて聞いた、と思いながらつやつやのお米を堪能していると、目の前に冷たい緑茶の入ったグラスが置かれた。
真衣子にもひとつ渡しながら、元気? と訊いてくれるのは、加治くんだ。
「ごめんね、なんだか心配かけちゃったみたいで」
「いや、電話のあと、少ししたらあんまり普段どおりだったから。逆にそれが心配だったよ」
だって昨日は、いったい何がショックなのか、まだ自分でもわかっていなかった。
実のところ、今でもわかってないけど。
でも、ショックを受けてるということは、認められるようになった。
「何があったのか、訊いていい?」
「両親がね、離婚を決めたらしいの」
「えっ、ほんとに」
もう食べ終えたらしい加治くんは、隣に座ってお茶だけを飲んでいる。
そうかあ、とほおづえをついて、困った感じに息をついた。
「それじゃ俺、知ったようなこと言えないや。うちの親、引くくらい仲よくて」
「そのへんはあたしが受け持つから、加治くんはあっち行ってていいよ」
「…水越って、絶対俺のこと嫌いだよね?」
「そういう打たれ強いとこ、大好きよ」
にこっと笑う真衣子に、怖い怖い、と加治くんが口の中でつぶやいた。
率直な加治くん。
なんて気持ちのいい子だろう。
「私ね、離婚そのものより、親がそれを私に言ってくれなかったことに、ショックで」
「ああ、そういうの、あるよね」
「でもそれって結局、私のことでしょ。両親たち自身を心配する気持ちがなくて、それもなんだか、ショックなの…」
加治くんしかいない。
まだ自分の中で整理できていなかったけど、なんでもないと言ったところで嘘なのはバレバレなので、打ち明けた。
「私、様子変だったかなあ…」
「そんなことないよ。あたしも加治くんに聞かなきゃ気がつかなかった。あんたって結構、そういうとこあるよね」
「どういうとこ?」
「見かけのわりに、まったく構ってちゃんじゃないとこ」
構ってちゃんて初めて聞いた、と思いながらつやつやのお米を堪能していると、目の前に冷たい緑茶の入ったグラスが置かれた。
真衣子にもひとつ渡しながら、元気? と訊いてくれるのは、加治くんだ。
「ごめんね、なんだか心配かけちゃったみたいで」
「いや、電話のあと、少ししたらあんまり普段どおりだったから。逆にそれが心配だったよ」
だって昨日は、いったい何がショックなのか、まだ自分でもわかっていなかった。
実のところ、今でもわかってないけど。
でも、ショックを受けてるということは、認められるようになった。
「何があったのか、訊いていい?」
「両親がね、離婚を決めたらしいの」
「えっ、ほんとに」
もう食べ終えたらしい加治くんは、隣に座ってお茶だけを飲んでいる。
そうかあ、とほおづえをついて、困った感じに息をついた。
「それじゃ俺、知ったようなこと言えないや。うちの親、引くくらい仲よくて」
「そのへんはあたしが受け持つから、加治くんはあっち行ってていいよ」
「…水越って、絶対俺のこと嫌いだよね?」
「そういう打たれ強いとこ、大好きよ」
にこっと笑う真衣子に、怖い怖い、と加治くんが口の中でつぶやいた。
率直な加治くん。
なんて気持ちのいい子だろう。
「私ね、離婚そのものより、親がそれを私に言ってくれなかったことに、ショックで」
「ああ、そういうの、あるよね」
「でもそれって結局、私のことでしょ。両親たち自身を心配する気持ちがなくて、それもなんだか、ショックなの…」