…――何から謝ったらいいのか、わかりません。
こんなつもりじゃなかったなんて、言い訳にしかならない。
僕は、目的のためだけに大学に来たので。
予想もしなかったものに出会って、混乱したのかもしれません。
要するに、僕はね。
こんな夏が、ずっと続けばいいと。
そう思った自分を、許せなかったんだよ。
どうか元気で。
無茶はもう、しないでね。――…
冬が終わり、春が過ぎて。
ひとりの夏を過ごして、秋を迎えて。
先輩がどこで何をしているのか、ひとつも知ることができないまま。
大学に入って四度目の冬が、終わろうとしていた。
「みずほちゃん、こっち」
呼ばれて、居酒屋さんを奥へ進む。
半個室のお座敷には、もう真衣子が来ていた。
「久しぶり、みずほ」
「嘘つけよ」
「よくわかったわね」
私と真衣子は、昨日も会ってる。
でも加治くんは、ゼミも分かれて、サークルに顔を出す機会も減ると、なかなか会えず。
卒論提出を祝うこの飲み会に誘ってくれたのが、ひと月ぶりくらいのコンタクトだった。