別に際どい話をしようとか、私を微妙な気分にさせようとかでなく、単に、面白いよねというつもりの発言らしい。

みたいなんだよねって言われても。

私が答えに詰まったのも気にしていないようで、マイペースに首筋に噛みついては、私のシャツとスカートをはぎとって、床に落とす。



「明るいの、嫌?」

「でも、もう仕方ないので…」



頑張ってあきらめます、と言いながらもつい腕で身体を隠す私を、先輩が笑う。

目の前で、ぽいと無頓着にTシャツを脱ぐのを見ているだけで、顔が赤くなるのを自覚し、案の定見咎められた。



「どうしたの」

「あの」



あのですね、と言葉を探す。

私が、明るい部屋でするのが嫌なのは、自分の身体を見られるのが嫌というのもあるんだけど。

それは正直、前回でけっこう慣れた。

そこじゃなくて、今はですね。

先輩が、私の身体をさわったりとか噛んだりとか、そういう姿が見えてしまうのが、たまらなく恥ずかしくていたたまれない。



「それで、嫌なんです…」



言っていて羞恥に涙が浮かぶ。

自分から来ておいて、こんな程度のお子様でごめんなさい。

先輩の身体すら、いまだに直視できないです。


ぽかんと見おろす視線から逃げたくて、うつむいた。

先輩はしばらく、何も言わずに。

やがて、こらえきれないみたいに、笑いはじめた。


笑うなんてひどい、と自分を棚に上げて文句を言おうとしたら、強烈に抱きしめられて、唇をふさがれた。

どん、と裸の背中が冷たい柱にぶつかる。

おやつの前に汗を流したんだろう、先輩の肌は、いい香りがしてさらりとなめらかだ。

熱いキスを短めに終えて、顔を離した先輩は、まだ笑っていた。



「そんなにおかしいですか」

「おかしくて笑ってるんじゃないよ」



その顔に、おかしさ以外の何を見つけろって言うんですか。

そんな気分でふくれると、また先輩が顔を寄せる。