「陽人は難しいかもねー」


パックのジュースを飲みながら真由が涼しい顔で言った。


「なんで?」


「陽人には好きな人がいるから。多分ね」


「えぇ!?誰それ!?」


真由はあたしを見てニヤっと笑った。


いやいやいや・・・まさか。


「私燃えてきた!絶対陽人くんの彼女になる!」


由梨が意気込んで言う。


いやいやいや・・・それはちょっと困る。


でも、あたしなんかより由梨の方が陽人に絶対お似合いだ。


陽人も由梨に告白されたらコロっといっちゃうかもね。


コロっと・・・。


いったらあたしはどうするんだろう?


諦めるしかないか・・・。



陽人をそっと見ると、秋くん達となにかで盛り上がってる。友達もたくさん出来たみたいで楽しそう。


購買のパン食べてる・・・。


陽人のお母さんは仕事忙しいからお弁当作れないもんね。


そして、あたしのカバンの中にはもう一つのお弁当・・・・。


陽人の分、作るクセが直らない。


むなしいだけなんだけどね。