「大丈夫だから。落ち着いて。人が沢山いるって意識しないこと。澪は大丈夫」


受験の日の朝。


お父さんが何度もあたし言った。


お父さんの方が緊張してるみたいで笑ってしまう。


「お父さん、大丈夫だよ。薬も飲んだし安心して?」


「具合悪くなったら試験官にすぐに言うんだぞ?無理しちゃだめだ」


「大丈夫だよ。試験に集中するもん」


電車に乗って試験会場の高校に行こうとするのを「絶対だめだ」と言って、お父さんは有休を取った。


ついでに陽人達人も送ってくれるらしい。


「よ、よし!行くぞ!!」


お父さん・・・声が震えてるよ・・・。


苦笑いをしながら車に乗り込む。



駅前で3人を拾うとお父さんはしきりに「澪をよろしく」と言っていた。


いやいや、みんな試験だし・・・。


あたしのこと見てられないでしょ・・・。


「澪パパ大げさー!」


今日はスッピンの真由が笑い出した。


みんなに「大丈夫だって!」と言われながら試験会場へ向かう。



いよいよ本番。


どうか4人で受かりますように!!